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チガサキゴトよ、チーガ

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海街の本棚

平松洋子「サンドウィッチは銀座で」

文藝春秋 二〇一一年

海街の本棚

 読み始めたのっけから、お腹の虫が鳴き出します。そんな、食べ物系エッセイ。

 春のネタを盛り込んだ天ぷら、餃子とビールが最強コンビである話、照り具合が食欲をそそる鰻やオムライス、てっちりで味わうひとり鍋の醍醐味、料理も看板も色鮮やかな場末の中華料理店のざわつき、文章だけでこうも食欲をそそり、唾液がでてくることはかつてなかったです。どれもこれも、とてもとても美味しそうなのです。テンポよく読めて、目の前に次々とできたてのお皿が回ってくるよう。谷口ジローさんのイラストが、文章とあいまって胃袋を刺激してきます。細やかに描写された料理から立ち上る湯気が見え、食している人たちの はふはふ という声が聞こえてきそうです。

 そして、銀座のビルの地下にあるビニールシート椅子のレトロなお店で出てくるのは「サンドゥイッチ」と微妙に呼称が違います。『きれいに切り揃えた彩の愛らしいこと。ハムのピンク、きゅうりやレタスの緑、卵の黄色。私のおすすめは、プラス数十円でトーストしてもらう「スペシャルサンドゥイッチ」だ。』いいなぁ。読んでいて無性に食べたくなってきた。自分は木村屋總本店で桜あんぱんはよく食べますが、次はこのサンドゥイッチにトライしようと思います。

 巻末には、紹介されたお店と住所も載っています。ネットでこの手の情報が溢れている中で、こんな丁寧な構成もうれしいです。今あるうちに行って食べておかねば! という気にさせてくれます。鰻のお店とオムライスのお店に行きたい。天井の高い桜鍋のお店もいいなぁ。


スガマリンタロウ

スガマリンタロウ Sugama Rintaro
茅ヶ崎在住。湘南から東京へ通勤するごくごく一般的なサラリーマン。通勤時間やちょっとした空き時間がもったいないなと思っていたところ、もともと好きだった読書欲に火がつく。積ん読もたまる一方。一箱古本市などのイベントに出店して読了本を放出することがたまにあります。

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